Volume 19 Number 7

タンパク質構造予測AIによる革命と「その先」

タンパク質のアミノ酸配列からタンパク質の立体構造を予測する、ディープマインド社の「AlphaFold(アルファフォールド)」。深層学習の手法でトレーニングしたニューラルネットワーク(脳回路を模した機構)を用いた、人工知能(AI)プログラムである。2021年7月に公開されてから1年足らずで、早くも生物学に大変革をもたらしている。

目次

特別公開記事Free access

投獄されたイラン人学者に支援の声を

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イラン人研究者は、かつてないほどの危険にさらされている。各国政府は静かな外交を促しているが、表立って行動することが必要なのだ。

誓約の履行で2℃未満の温暖化抑制は可能

誓約の履行で2℃未満の温暖化抑制は可能

COP26での気候に関する各国のコミットメント(誓約)を分析した結果、そうしたコミットメントが履行されれば、2100年までの地球温暖化を2℃未満とすることができる可能性が示された。しかし、それには短期的な政策による裏付けが前提となる。

コロナウイルスの「亡霊」が腸に何カ月も残留

コロナウイルスの「亡霊」が腸に何カ月も残留

科学者たちは、long COVIDと、さまざまな組織に残留するウイルス断片との関連を調べている。

COVID罹患後の脳の変化が画像で判明

COVID罹患後の脳の変化が画像で判明

SARS-CoV-2への感染前後の画像検査により、感染後の脳には明らかな変化が認められることが分かった。大規模な脳画像追跡研究には高い水準が要求されるが、この研究はその模範を示している。

Chia-Hsuan Hsu

Chia-Hsuan Hsu

許嘉軒(Chia-Hsuan Hsu)は、 国立台湾大学環境教育研究所のポスドク研究員。

腫瘍へ確実に送達可能な生菌カプセル化システムを構築

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1世紀にわたり模索が続く、生菌を使ったがん治療。生菌製剤の免疫系回避と腫瘍部位への送達が課題である。コロンビア大学 博士課程6年に在籍する張本哲弘さんらは、このほど、菌体を包む莢膜多糖(CAP)を合成生物学の手法で自在にスイッチングする技術を開発。CAPの制御で、薬剤を兼ねる生菌をより多く腫瘍に送達できることを、生体で実証した。

Research Highlights

リサーチハイライト

リサーチハイライト

「観光客が与えるおやつがイグアナの健康を害する恐れ」「瞬時に崩壊する「ひしゃげた」原子核」「埋め立て式ごみ処理場からポリスチレンを救う光」「妊娠中の軽症の高血圧について再考を促す臨床試験結果」他(2022年4月7日〜4月28日号)。

Publishing Academy

学術界サバイバル術入門 — OA出版①:オープンアクセスとは

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オープンアクセスとは何か? なぜ重要なのか? 新シリーズでは、オープンアクセスとその動向について説明します。

News in Focus

標準模型よりも重過ぎるWボソン

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Wボソンの質量は、理論の予測よりも重い可能性があることが、過去に行われた実験のデータから分かった。「標準模型」に修正を迫る結果かもしれないと期待されている。

翼竜類のカラフルな羽毛が意味すること

翼竜類のカラフルな羽毛が意味すること

白亜紀の翼竜類トゥパンダクティルスの新たな標本に、有色の羽毛の存在を示す確かな証拠が見つかった。

「変異シグネチャー」でがんの起源に迫る

「変異シグネチャー」でがんの起源に迫る

過去最大規模の腫瘍ゲノム研究により、がんの起源の手掛かりとなる変異パターンが明らかになった。

人類進化への気候の影響を示した大規模シミュレーション

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ホモ・サピエンスの出現には、アフリカ大陸南部の気象パターンの変化が寄与した可能性があることが、古気候の大規模シミュレーションで浮かび上がった。

スズメバチの羽音をまねて天敵を撃退するコウモリ

スズメバチの羽音をまねて天敵を撃退するコウモリ

哺乳類が昆虫類の、それも「音」をまねる擬態の例は、これまで見つかっていなかった。

Features

失った運動、触感、対話を取り戻す脳埋め込み装置

失った運動、触感、対話を取り戻す脳埋め込み装置

麻痺のある人の運動やコミュニケーションを可能にする脳–コンピューターインターフェース(BCI)。より高度になりつつあるこの装置に、商業的な関心も集まっている。

タンパク質構造予測AIによる革命と「その先」

タンパク質構造予測AIによる革命と「その先」

タンパク質の立体構造を予測する「AlphaFold(アルファフォールド)」。2021年7月の公開から早くも生物学に大変革をもたらしつつある。

News & Views

プラスチックのリサイクルに最適な酵素

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ポリエチレンテレフタレート(PET)廃棄物は食品包装に適した材料に再生可能だが、現在そうしたリサイクルは飲料用のPETボトルなどに限定されている。今回、リサイクル原料の選択肢を大きく広げる酵素が、機械学習を用いて開発された。

遺伝子抑制の新たな階層の発見

遺伝子抑制の新たな階層の発見

rixosome(リキソソーム)と呼ばれるタンパク質複合体が、遺伝子発現後に残っているRNA転写産物の分解に役立つことが分かった。この発見は、種によって異なる、rixosomeのクロマチン調節での役割を示している。

変異時計の進行は種によって異なる

変異時計の進行は種によって異なる

細胞は一生にわたり変異を獲得する。今回、寿命が長い動物は寿命が短い動物よりも ゆっくりと変異を獲得していることが明らかになった。これによって、寿命が長くなってもがんリスクが上昇しない理由を説明できる可能性が示された。

Advances

細菌の培養は台所スポンジで

細菌の培養は台所スポンジで

さまざまなタイプの細菌にとって理想的なすみかとなり得る。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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