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国際的ながんゲノム解析プロジェクトの大きな成果
2001年にヒトゲノム塩基配列が初めて解読されると、がん研究者らはすぐに、腫瘍ゲノムの包括的な特徴解析という大きな目標を掲げた。その後、塩基配列の解読技術や解析ツールの進歩のおかげで、この研究領域は大いに成長し繁栄している。Nature 2020年2月6日号では、がん種横断的全ゲノム解析(PCAWG)コンソーシアムが、6本の論文で、これまでで最も包括的で大掛かりながんゲノム・メタ解析の結果を報告している。がんゲノムのタンパク質コード領域に主に焦点を合わせた従来の取り組みとは異なり、PCAWGは全ゲノムを解析している。それぞれの論文(82、94、102、112、122、129ページ)1-6は、がんの遺伝学の重要な個々の側面を詳細に調べており、総合すると、これらの知見はがんの遺伝学的な複雑さを完全に解明する上で極めて重要なものとなるだろう。
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翻訳:船田晶子
Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 5
DOI: 10.1038/ndigest.2020.200540
原文
Global genomics project unravels cancer’s complexity at unprecedented scale- Nature (2020-02-06) | DOI: 10.1038/d41586-020-00213-2
- Marcin Cieslik & Arul M. Chinnaiyan
- Marcin Cieslik & Arul M. Chinnaiyanは、ミシガン大学(米国アナーバー)に所属。
参考文献
- ICGC/TCGA Pan-Cancer Analysis of Whole Genomes Consortium. Nature 578, 82–93 (2020).
- Rheinbay, E. et al. Nature 578, 102–111 (2020).
- Alexandrov, L. B. et al. Nature 578, 94–101 (2020).
- Li, Y. et al. Nature 578, 112–121 (2020).
- Gerstung, M. et al. Nature 578, 122–128 (2020).
- PCAWG Transcriptome Core Group et al. Nature 578, 129–136 (2020).
- Priestley, P. et al. Nature 575, 210–216 (2019).
- Nowell, P. C. Science 194, 23–28 (1976).
- Fearon, E. R. & Vogelstein, B. Cell 61, 759–767 (1990).
- Robinson, D. R. et al. Nature 548, 297–303 (2017).