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世界初、月の裏側で調査する中国の探査機
月の裏側の月面に着陸した、中国の月探査機「嫦娥4号」着陸機。2019年1月、月面ローバーが撮影した。 Credit: China National Space Administration/China News Service/VCG via Getty Images
2019年初頭、中国の月探査機「嫦娥(じょうが)4号」は、これまで宇宙機が軟着陸したことがない、月の裏側(地球から遠い側)に着陸する。嫦娥4号は、2018年12月8日に四川省の西昌衛星発射センターから長征3号Bロケットで打ち上げられる予定だ(註:予定日に打ち上げられ、2019年1月3日に軟着陸に成功した1)。今回の計画の主な目的は、月の裏側を月面で調べること、中国の月探査計画「嫦娥計画」の次の段階に向けて技術を開発・蓄積することだ。
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翻訳:新庄直樹
Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 3
DOI: 10.1038/ndigest.2019.190306
原文
China set to launch first-ever spacecraft to the far side of the Moon- Nature (2018-11-30) | DOI: 10.1038/d41586-018-07562-z
- Andrew Silver
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新華社通信などによると、嫦娥4号は2018年12月8日(現地時間)に打ち上げられ、同12日に月を回る軌道に入った。2019年1月3日、フォン・カルマン・クレーター内への軟着陸に成功した。嫦娥4号は月の裏側の画像を撮影して送ってきた。着陸の12時間後、月面ローバーがスロープを使って月面に下り、活動を開始した1。
また、1月15日、綿などの種子が発芽したことが写真とともに発表された。しかし、昼夜の温度差の大きな月面で温度を保つことができず、実験は間もなく終了したという2。
参考文献
- Castelvecchi, D. Nature 565, 146–147(2019).
- Castelvecchi, D., Tatalovic´, M. Nature https://doi.org/10.1038/d41586-019-00159-0 (2019)