2013年9月号Volume 10 Number 9

自然に存在するヒト遺伝子に、特許は認められない!

2013年6月13日、米国最高裁判所は「自然に存在するヒト遺伝子に特許は認められない」とする歴史的判決を下した。これは遺伝子検査会社ミリアド社による2種類のがん関連遺伝子 BRCA1BRCA2 の特許の有効性に関する訴訟への回答だ。今後、農業分野などでも、自然遺伝子への特許が認められなくなる可能性が高く、バイオテク業界の動揺が広がっている。ただし、人工的に修飾されたDNAには特許が認められ、これまでもcDNAについては特許が認められている。そこで、どれだけ自然と異なれば特許になるのか、誰もわからず混乱が生じている。

Editorials

研究は説明責任を負うものであり、少なくとも、社会からそのように認知されなければならない。 そのためには、不要と思われる監視制度であっても、それを維持しなくてはいけないケースがある。

データとツールを出し合って地震災害の試算を世界中に提供しようというのが、世界地震モデル(GEM)プロジェクトだ。 画期的な試みではあるが、地震発生の危険度の解釈や対策の決定に関しては、各地域の担当者個人の肩にかかっている。

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News

銀河系の外からやって来る、継続時間の極めて短い電波バーストが見つかった。この画期的な発見は、電波天文学の新たなページを開くかもしれない。

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最新式の追跡用首輪を装着させてデータを記録した結果、地上最速といわれるチーターの鋭敏な反射神経や驚異的な加速能力が明らかになった。

最新の画像情報をもとに計算し直したところ、1970年代のソ連の月面探査車ルノホート2号は、42kmも走行していたことがわかった。これは、NASAの火星探査車オポチュニティーの走行距離よりも長い。

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News Features

このところ、ノーベル賞より高い賞金の科学賞が相次いで新設されている。一晩で億万長者になる科学者が出るのは結構なことだが、一握りの研究者に巨額の賞金を授与しても、その研究分野が本当に活性化するかどうかはわからない。

1962年、Leonard Hayflickは中絶胎児から1つの細胞株を樹立した。 この細胞株は「WI-38」と名付けられ、その後50年以上にわたって研究用正常ヒト細胞の重要な供給源となってきた。 と同時に、さまざまな論争の原因にもなってきた。

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Turning Point

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「自分の知らない世界を見てみよう」──配置転換に動揺した気持ちをそう思って立て直したときに、発見への新たな扉が開いた。自己組織化という現象を有機合成分野に取り入れ、化学の常識を覆した藤田誠氏。「あちらこちらと転がりながら進んできた」研究人生だったと振り返る。日本IBM科学賞、江崎玲於奈賞などを受賞。

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Japanese Author

「オートファジー」は、細胞が自らの一部を分解する作用(自食作用)のことだ。細胞内のゴミ処理だけでなく、資源のリサイクルなどにも役立っていることがわかってきた。この十数年、飛躍的に発展してきたこの分野を牽引したのが日本の研究者たちだ。リーダーの1人、水島昇氏が、オートファジー研究のこれまでと、これからについて語る。

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News & Views

生物学者や航空工学者たちが昆虫の飛翔原理を解明すると、技術者たちは、その空気力学的メカニズムに基づくロボットの製作に着手した。 そして今回、マイクロ製造技術の延長から、最初のハエロボットが空へと羽ばたいた。

ヒトによる石器利用技術の歴史を、現生霊長類の行動学が教えてくれることがわかった。 石のハンマーで木の実を割る野生オマキザルの研究から、その技術的活動に関する時間的・空間的なパターンが明らかになり、考古学的視点から研究可能であることが確認されたのだ。

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News Scan

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Highlights

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