Nature ハイライト

化学:自動的に進むナノリボン合成

Nature 571, 7765

グラフェンナノリボンの特性は、長さ、幅、エッジ構造によって決まるため、合成時にこれらのパラメーターを精密に制御できることが重要である。表面重合法には制御性が良好な方法もあるが、溶液中の合成では、溶液法の簡便さが支持され、制御性が犠牲になることが多い。今回、伊丹健一郎と伊藤英人(名古屋大学)たちは、「リビング」重合にヒントを得て、長さ、幅、エッジ構造の3つのパラメーターを同時に全て制御できる溶液系合成法を報告している。幅とエッジ構造はモノマーの選択によって決まり、長さはモノマーと開始剤の混合比で決まる。今回の手法は、重合に自在性をもたらし、ブロック共重合体型グラフェンナノリボンの合成も可能にしている。

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