Letter

化学:リビング縮環π拡張重合によるグラフェンナノリボン合成

Nature 571, 7765 doi: 10.1038/s41586-019-1331-z

グラフェンナノリボン(GNR)の、導体性または半導体性、電荷移動性、オン/オフ比といった特性は、それらの幅、長さ、エッジ構造に大きく依存する。GNR合成に用いられる既存のボトムアップ法では、これらの3つのパラメーター全てを同時に制御できず、逐次重合の性質故に、特に長さの制御が困難であった。今回我々は、GNRの幅、エッジ構造、長さの制御だけでなく、GNRの高速モジュール合成を可能にするリビング縮環π拡張(APEX)重合法を報告する。パラジウム塩/銀塩、o-クロラニル、開始剤(フェナントレンまたはジフェニルアセチレン)の存在下で、ベンゾナフトシロールモノマーを縮環的に重合させると、フィヨルド型GNRが得られる。GNRの長さは、単純に開始剤とモノマーの混合比を変えることによって制御でき、さらにGNRブロック共重合体も精密に合成できる。今回の合成手法は、一種の直接C-Hアリール化重合とラダー重合であり、多環芳香族炭化水素の2つのC-H結合が活性化され、連鎖成長段階ごとに縮合芳香環が1つ構築される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度