Nature ハイライト

植物科学:オーキシンシグナル伝達の新たな層

Nature 568, 7751

オーキシンは植物の成長や発生に関わる典型的なホルモンであり、細胞間でのオーキシン濃度の差異が、発生の結果に違いをもたらす。TIR1/AFB受容体に基づく経路を介したオーキシンシグナル伝達はよく調べられているが、T Xuたちは今回、それと並行に働く新たなオーキシン応答経路について報告している。彼らは茎の発生を調べ、植物の頂端フックにおいて、高レベルのオーキシンが細胞表面でTMK1と呼ばれる受容体様キナーゼの切断をもたらすことを発見した。切り離されたTMK1のカルボキシ末端は、細胞質ゾルを通って核に移行し、そこで2つの非カノニカルなオーキシン応答性転写抑制因子であるIAA32とIAA34をリン酸化する。意外にも、これらの抑制因子は安定化され、その結果として成長の阻害が引き起こされた。彼らは、TMK1シグナル伝達経路とTIR1/AFBシグナル伝達経路が並行して働くことで、細胞オーキシン濃度の違いを明確に解釈することが可能になり、複雑な発生結果が生じると考えている。

2019年4月11日号の Nature ハイライト

目次へ戻る

プライバシーマーク制度