Nature ハイライト

構造生物学:明らかになったアミノ酸輸送体LAT1の構造

Nature 568, 7750

LAT1–4F2hcはヒトアミノ酸輸送体で、大型中性アミノ酸や、L-DOPAのような体内で生じたホルモン前駆体の膜を通過する輸送に関わっている。そのため、この輸送体は細胞増殖や血管新生、またがんにおいて重要な役割を果たしている。LAT1は薬物動態に特に大きな役割を担っていて、がんでの薬剤標的の1つである。今回Q Zhouたちは、LAT1–4F2hc複合体について、単独状態、また阻害剤の2-アミノ-2-ノルボルナンカルボン酸(BCH)もしくはJPH203と複合体を形成した状態のクライオ(極低温)顕微鏡構造を報告している。LAT1は、内向きに開いたコンホメーションをとっていることが分かり、4F2hcとの広範にわたる相互作用が見られ、分子間ジスフィルド結合を介する相互作用も観察された。この研究によって、LAT1–4F2hcの機能に関する手掛かりが得られ、またヘテロ二量体型二次性能動輸送体の構造の一端が初めて明らかになった。

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