Nature ハイライト

考古学:東洋のルヴァロワ

Nature 565, 7737

中国の旧石器時代の考古学の問題の1つに、約4万~3万年前に、握斧や礫器から、ヨーロッパやアフリカで見られネアンデルタール人や初期の現生人類と関係する「第3様式」(すなわち「ルヴァロワ」)の調整石核技術が現れることなく、より近代的な石刃技術への直接的な移行が起こったように見えるというものがある。今回、中国南西部貴州省の観音洞で出土した第3様式の石器が、光ルミネッセンス年代決定法によって17万~16万年前のものと推定されたことが示されている。これは、アジアの考古学的記録にあった不可解な空白を埋めるものであり、現生人類の広がりに関する我々の理解に影響する可能性がある。

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