Nature ハイライト

神経科学:睡眠の仕組み

Nature 558, 7710

哺乳類では、睡眠・覚醒のサイクルは不断の睡眠恒常性動因により駆動されており、睡眠要求と睡眠確保は常に変動してバランスを維持している。しかし、この睡眠恒常性を監視し、調節する仕組みについての分子的基盤についてはほとんど分かっていない。柳沢正史と船戸弘正(筑波大学ほか)たちは今回、睡眠要求について異なるマウスモデルを調べ、リン酸化プロテオームを比較して、睡眠要求に関係すると思われる分子的シグナル伝達の違いを明らかにした。彼らは、睡眠要求に従ってリン酸化状態が変化する80種類の候補タンパク質群を特定した。これらの候補タンパク質の多くはシナプスに存在することから、これらのタンパク質のリン酸化状態の調節が、シナプス恒常性と睡眠・覚醒恒常性の両方における調節機構の1つである可能性が示された。

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