Nature ハイライト

群集生態学:都市化が体サイズに及ぼす影響

Nature 558, 7708

 効率の良い濾過摂食者であるオオミジンコ(<i>Daphnia magna</i>)は、藻類ブルームの制御において重要な役割を果たしているが、都市環境では個体数が著しく減少していることが多い。
効率の良い濾過摂食者であるオオミジンコ(Daphnia magna)は、藻類ブルームの制御において重要な役割を果たしているが、都市環境では個体数が著しく減少していることが多い。 | 拡大する

Credit: Joachim Mergeay

都市環境に関連する温度の上昇は、そこに生息するタクソンの代謝コストを高め、より小型の体サイズへの移行を駆動すると予想されている。T Merckxたちは今回、ベルギー北部で都市化勾配に沿って陸生と水生のタクソンについてのデータを集め、これを用いて都市化が群集レベルでの体サイズに及ぼす影響を評価した。その結果、都市群集は一般に、より小型の種から構成されることが分かった。しかし、サイズと分散との間に正の関連があるタクソンでは逆の傾向が見られ、著者らは、こうしたより大型の種に対する選別によって、都市の分断化された生息環境では分散が促進されていると示唆している。

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