Nature ハイライト

人類学:ヒトの脳サイズ進化の駆動要因

Nature 557, 7706

ヒトはなぜ、単位体重当たりの脳がこれほど大きいのだろう。その説明としては、「不経済組織」仮説(肉食によって脳が腸を犠牲にして進化することができた)から、「社会脳」説(集団での生活が知能を促進する)まで、後付けの説が複数唱えられている。しかし、さまざまな要因を考慮し、化石記録に照らして結果を検証できる、ヒトの脳サイズの増加だけでなく減少にも対応したモデルは欠落していた。今回M González-ForeroとA Gardnerは、ヒトの脳サイズが、異なる複数の要因に応答して進化したことを明らかにしている。主な要因は、生態学的要因(60%)および協同(30%)であり、集団間競争(10%)がそれに続く一方、個人間競争は重要でなかった。

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