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進化:真核生物の性質を備えた古細菌

Nature 521, 7551

北極中央海嶺沿いの海底熱水系。「ロキアーキオータ」はこの近くの堆積物から見つかった。
北極中央海嶺沿いの海底熱水系。「ロキアーキオータ」はこの近くの堆積物から見つかった。 | 拡大する

Credit: Centre for Geobiology (University of Bergen, Norway) by R.B. Pedersen

真核細胞は原核細胞と大きく異なっているため、真核生物の起源や祖先を解明することは難題である。古細菌は、遺伝学的研究では細菌よりも真核生物の近くに位置付けられるが、生化学的および形態学的には真核生物よりも細菌に近い。しかし今回、T Ettemaたちが北極中央海嶺の海底熱水系Loki’s Castle周辺のコア試料から採取して同定した古細菌は、真核生物の特徴である細胞やゲノムの複雑化を支えるためのゲノムの「スターターキット」としての要件を満たしている。ロキアーキオータ(Lokiarchaeota)と命名されたこの新しい古細菌群は、系統発生解析で真核生物の直接の姉妹群に位置付けられ、真核生物に特徴的なタンパク質のレパートリーを備えている。

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