Nature ハイライト

発生生物学:YAPタンパク質が組織に形態を与える

Nature 521, 7551

組織張力は生物個体レベルで制御され、それによって体の形態や複雑な3次元構造が維持されているが、その仕組みはどのようなものだろうか。今回、古谷-清木誠(英国バース大学)たちは、扁平な体を持つメダカ変異体hiramehir)について報告している。この表現型は、Hippoシグナル伝達経路の一部であるYAPタンパク質が存在しないことによって引き起こされる内部の力の低下が原因であることが示された。この顕著な効果は、YAPがRho GTPアーゼ活性化タンパク質のARHGAP18の調節を介して、アクトミオシンが生み出す張力を制御することに関連がある。また、YAPはヒト細胞培養系で、この方法により細胞塊の三次元構造も制御している。

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