神経発生疾患：自閉症トランスクリプトームの大規模解析

今回、特発性の自閉症スペクトラム障害（ASD）の患者48人と対照者49人の死後脳を対象に行われた、トランスクリプトーム規模のRNA塩基配列解読の解析結果が報告されている。著者たちは、ASD患者の皮質試料では、霊長類特異的な非コードRNA（lncRNA）などの非コードトランスクリプトームや、活動依存性ニューロン遺伝子のスプライシングが変化していることを突き止めた。また、前頭皮質と側頭皮質の間に通常見られる転写の差異が、ASD試料では減少していることが確認され、こうした差異の減少には転写因子SOX5が役割を担っている証拠が得られた。

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