Nature ハイライト

構造生物学:タンパク質の動きと生物学的機能を結び付ける

Nature 540, 7633

X線結晶学では大型のタンパク質の三次元構造を原子分解能で明らかにすることができるが、得られるのは静止状態の像だけである。今回R Ranganathanたちは、タンパク質の結晶に強い電場を照射しながら、時間分解X線回折パターンを集めることで、タンパク質の構成原子全ての力学的な動きを追跡した。こうした動きは、機械に似たタンパク質が稼働する仕組みの核心である。タンパク質の力学的性質を調べるこの方法は、分子生物学や創薬に直接関わりがあるだけでなく、材料科学あるいは電気工学の分野での物理学的研究にも刺激を与えるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度