Nature ハイライト

細胞生物学:腫瘍細胞の生存を支えるエピシャペローム

Nature 538, 7625

シャペローム(chaperome)は、シャペロン、コシャペロン、アダプター、折りたたみ酵素が動的な複合体になったもので、細胞の恒常性を調節している。正常細胞ではこのような複合体は一過性だが、今回G Chiosisたちは、がんなどのストレス条件下では、シャペロームが安定なネットワークを形成して、有害な細胞の生存を助けていることを明らかにした。このようなより大きな「エピシャペローム(epichaperome)」複合体は、患者試料では組織の起源や遺伝的背景に関係なく見られ、全てのがんの半数以上に存在し得ることが分かった。これらの知見から、シャペロームの構成要素ではなく、エピシャペローム自体を標的とすることが新しいがん治療法の開発につながると考えられる。

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