Nature ハイライト

微生物学:Frizzledは抗C. difficile薬の標的である

Nature 538, 7625

Clostridium difficile感染は、抗生物質関連下痢症の原因として最も一般的であり、また先進国では胃腸炎に関連する死亡の主原因となっている。この菌が持つ毒素A(TcdA)と毒素B(TcdB)は互いに相同であり、受容体介在性エンドサイトーシスによって宿主細胞内に侵入して、C. difficile感染時の病状を引き起こす原因物質となる。TcdBが大腸上皮を標的とする機構はまだ不明であった。今回、M Dongたちはゲノム規模CRISPRスクリーニングを行い、マウス大腸上皮および大腸オルガノイドでは、Wnt受容体Frizzled(FZD)ファミリーのメンバーが生理的なTcdB受容体で、TcdBはFZD1、2および7に対して最も高い親和性を示すことを明らかにした。従ってこの研究は、C. difficile感染の際の新しい治療標的を明らかにしたことになる。

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