Nature ハイライト

がんゲノミクス:成体幹細胞に蓄積した変異

Nature 538, 7624

ヒト成体幹細胞に一生の間に蓄積する変異は、がんのリスク増加と関連付けられてきた。しかし、このような細胞での実際の変異発生速度やパターンについては、今のところ分かっていない。今回E Cuppenたちは、3〜87歳のドナーから得られた初代多能性細胞に由来するクローンのオルガノイドを培養し、そのDNA塩基配列を解読した。がんの発生率に違いがあることが知られている複数の組織について見ると、変異はいずれもほぼ同じ速度(1年当たり約40の新規変異)で蓄積していくことが分かった。しかし、肝臓と、大腸や小腸とでは、異なる組織特異的な変異スペクトルが観察されることも明らかになった。

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