Nature ハイライト

Cover Story:いよいよ見えてきた兄弟惑星:太陽に最も近い星であるプロキシマ・ケンタウリを周回している温暖な地球型惑星

Nature 536, 7617

太陽から最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリを周回している地球型惑星プロキシマbの地表の想像図。
太陽から最も近い恒星プロキシマ・ケンタウリを周回している地球型惑星プロキシマbの地表の想像図。 | 拡大する

Credit: ESO/M. Kornmesser

表紙に描かれているのは、ケンタウルス座の恒星プロキシマ・ケンタウリとその惑星プロキシマbである。これまでに得られた観測結果とヨーロッパ南天天文台(ESO)に設置された観測機器から得られた最新のドップラーデータの解析によって、太陽に最も近い恒星であるプロキシマ・ケンタウリの周囲を巡る小型の惑星の存在が、今回明らかになった。プロキシマbと名付けられたこの惑星の最小質量は地球の1.3倍であり、約11.2日の周期で恒星近傍を周回している。その平衡温度は、惑星表面に水が液体で存在することのできる範囲内にあるが、地球が受けるよりも強いX線フラックスが地球上のものとは異なる大気を時間経過とともに作り出してきた可能性があるため、惑星表面の水の現在の組成やその有無は不明である。太陽近傍にある恒星を巡る温暖な地球型惑星が見つかったことで、技術の進歩に伴って、直接撮像や高分解能分光法などによる、より詳細な特徴研究を行う機会が到来しそうだ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度