Nature ハイライト

光物理学:不確実になる時間がない

Nature 532, 7600

氷床コアから気象史を再構築したり、X線自由電子レーザー(XFEL)実験から超高速ダイナミクスを再構築したりする際、タイムスタンプが不確かだと、事象の順序が混乱し、動的情報の正確な回復が難しくなることがある。今回、この問題を回避できるデータ解析手法が報告されている。この手法は非線形ラプラシアンのスペクトル解析に基づいていて、タイミング不確実性があっても、ノイズの多いデータから動的情報を抽出できる。著者たちは、タイミング不確実性が300フェムト秒のXFELデータを使って、数フェムト秒のダイナミクスを再構築できることを実証している。原理的には、この方法は、タイミング不確実性に悩まされる測定結果の全てに有効な可能性があるため、地球科学から重力物理学にまで適用できると思われる。

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