Nature ハイライト

免疫学:血液と脳の間でのT細胞のやりとり

Nature 530, 7590

A Flügelたちは今回、多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎のラットを使い、炎症を誘導する自己反応性T細胞が養子移入の間に末梢血から脳へ運ばれる機序を調べた。T細胞は、供給源だろうと考えられていた脈絡膜叢ではなく、軟膜空間から脳脊髄液に入り込むことが明らかにされ、運ばれたT細胞は、完全な抗原応答性と病原性を維持していた。つまり多発性硬化症では、脳脊髄液に容易に到達できるT細胞の特徴は、病原性T細胞の特性と機能に関連している可能性が考えられる。

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