Nature ハイライト

免疫学:ウイルスの免疫回避機構

Nature 529, 7587

ペプチド輸送体TAPは、主要組織適合性複合体クラスI(MHC I)による抗原提示と細胞性免疫に重要な役割を果たしている。今回、TAPの低温電子顕微鏡構造が、J Chenたちによって初めて報告された。解かれたのは、ヘルペスウイルスのタンパク質ICP47と複合体を形成したTAPの構造である。この構造から、ヘルペスウイルスタンパク質がTAPのペプチド移動通路にヘアピン状の長いらせんを差し込んでふさぎ、ウイルス抗原が小胞体に入るのを妨げて免疫回避を容易にする仕組みが明らかになった。

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