Nature ハイライト

宇宙物理学:星形成にあった2回目のチャンス

Nature 529, 7587

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、大マゼラン雲中の巨大な球状星団NGC 1783。この星団は地球から約16万光年の距離に位置し、その質量は太陽の約17万倍ある。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、大マゼラン雲中の巨大な球状星団NGC 1783。この星団は地球から約16万光年の距離に位置し、その質量は太陽の約17万倍ある。 | 拡大する

Credit: ESA/Hubble & NASA

今回、マゼラン雲にある10~20億歳の3つの「若い」大質量星団をハッブル宇宙望遠鏡で観測した結果、星団内での最初の星形成段階から数億年後に、バースト的な星形成が起こったことを示す明瞭な証拠が得られた。より若い世代の星の空間分布から、バースト的に形成された星は、周囲ガス雲から生まれた可能性が示唆された。周囲ガス雲は、星団がホスト銀河の円盤内を軌道運動している間に集積され、星形成を維持するのに十分なガスのリザーバーとなったと考えられる。星団中の星は、共通の前駆的な分子ガス雲から1回のバーストで形成されたものが主であると考えられているが、今回の新たな観測結果は、大質量の老いた「球状」星団に複数の星の種族が含まれているように見えることが多い理由を説明できる可能性がある。

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