Nature ハイライト

進化学:ゴンドワナテリウム類哺乳類の頭部の新化石

Nature 515, 7528

白亜紀後期のマダガスカルの河口潮間帯に生息していたゴンドワナテリウム類<i>Vintana sertichi</i>(想像図)。
白亜紀後期のマダガスカルの河口潮間帯に生息していたゴンドワナテリウム類Vintana sertichi(想像図)。 | 拡大する

Credit: Luci Betti-Nash

ゴンドワナテリウム類は、白亜紀後期から暁新世前期にかけ、ゴンドワナ大陸で恐竜と共に生息していたこともある哺乳類である。ゴンドワナテリウム類の化石はこれまで、わずかな歯と少数の下顎骨片しか見つかっておらず、その姿や進化的な類縁関係はよく分かっていなかった。しかし今回、マダガスカルの白亜紀層でアナグマほどのサイズの奇妙な化石哺乳類の完全な頭蓋が発見され、状況は一変した。この哺乳類Vintanaは、当時のマダガスカルの固有な島嶼動物相の例に漏れず、高度に派生したものであることはほぼ間違いないが、明らかにゴンドワナテリウム類である。植食性で目が大きく敏捷な動物という解剖学的特徴は、ゴンドワナテリウム類が、長く存続して繁栄を遂げた齧歯類様の哺乳類群「多丘歯類」(ゴンドワナテリウム類と同じくすでに絶滅しているが、より詳しく研究されている)と近縁であったことを示している。

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