Nature ハイライト

構造生物学:光化学系IIの構造のX線を使って得られたスナップショット

Nature 513, 7517

X線自由電子レーザーからの極めて短く、強力な放射パルスを使えば、ナノメートルからマイクロメートルサイズのタンパク質結晶から、結晶が放射損傷を受ける前に回折データが得られることが最近明らかにされている。この「連続フェムト秒結晶学(SFX)」という手法により、タンパク質やタンパク質複合体について、秩序性の高い巨視的結晶からは得られない構造が明らかになるだろうと期待されている。今回、光合成光化学系IIの微結晶について、「暗」のS1状態から二重励起S3状態へ遷移する際の時分割SFXデータが収集された。現在のところ、この手法の分解能は中程度だが、酸素発生複合体の中核にあるMn4CaO5クラスターと電子受容体部位で起こるかなり大きなコンホメーション変化を明らかにするには十分であることが分かった。

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