Nature ハイライト

材料科学:純金属でガラスを作る

Nature 512, 7513

冷却速度が十分速ければ、どんな金属液体でも凍結してガラス状態になり得ると考えられており、こうしたガラス化によって、通常とは異なる有用な機械的特性を持つ固体金属が得られる可能性がある。しかし実際には、そうしたガラス形成が起こるのは、2種類以上の元素からなる金属にほぼ限られている。それは、単原子金属ガラスの形成に必要な冷却速度が速過ぎて、実験的に実現できないことが多いからである。今回L Zhongたちは、この実験上の困難を回避する方法を見いだした。パルス電流で局所的に金属を溶かし、一時的に少量の金属液体を生成するナノスケール加熱システムを開発したのである。金属液体部分の熱は周囲のバルク固体に急速に奪われ、単原子金属ガラスが生成される。こうして得られたサンプルは、構造と特性の研究に適している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度