Nature ハイライト

気候科学:気候モデルの不確実性を引き起こす大気混合

Nature 505, 7481

気候モデルから得られる地球温暖化の予測における長年にわたる不確実性について、1つの説明が提案されている。気候感度、つまり外部からの影響に起因する地球温暖化の大きさの予測における不確実性は、大気中の二酸化炭素の倍増に対して1.5~5°Cの範囲である。そして雲のシミュレーションにおける不確実性がモデル間の相違の根底にあると考えられている。今回S Sherwoodたちは43個の気候モデルの出力を調べ、気候感度の全不確実性の約半分が、対流圏下部と中部の間の混合の扱いの差に由来しており、その大部分が熱帯域で生じていることを明らかにした。観測データによって絞り込むと、著者たちのモデルから、気候感度は現在見積もられている1.5°Cという下限値ではなく、3°Cを超える可能性が高く、そのため、将来の温暖化がさらに厳しくなる方向にモデルの予測が絞り込まれると考えられる。

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