Nature ハイライト

生理:肝臓でのエネルギー代謝の調節

Nature 502, 7472

肝臓の代謝関連遺伝子の日周性や概日性の調節が代謝恒常性維持に重要な役割を担っていることは、最近得られた証拠から示唆されているが、肝臓が全身のエネルギー基質恒常性を調節する分子基盤は明らかになっていない。中でも懸案となっているのが、肝臓の脂質生成を末梢組織のエネルギー要求量と協調させる仕組みである。今回、核内ホルモン受容体であるPPARδが、肝臓でのde novo脂質生成を調節し、循環中の脂質を介して、筋肉による脂肪利用と協調させていることが分かった。高脂肪食を与えるとこの血清脂質の周期的な産生が見られなくなるが、db/db糖尿病マウスではこの血清脂質の投与により代謝恒常性が改善される。

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