Nature ハイライト

進化:筋タンパク質の進化史

Nature 436, 7054

多くの生物の細胞内部にはミオシンという特別なモータータンパク質が存在しており、これらは化学エネルギーを使って構造フィラメント類を動かしている。この過程は筋収縮にとって非常に大事だが、細胞移動にも欠かせない。しかし、ミオシンはどうやってこの機能をもつようになったのだろうか。今週号の新しい研究報告がこの疑問を解く手助けをしてくれる。  T RichardsとT Cavalier-Smithは、ミオシンについてこれまでで最も広範囲にわたる進化解析を行った。2人が解析に使ったのは解読が完了した、もしくは完了に近い23種のゲノムである。彼らの研究から、動植物を含む真核生物(細胞に核のある生物)全体にわたって多種多様なミオシンが存在することが明らかになった。論文には37種類のミオシンが列挙されており、この数は従来知られていたもののほぼ2倍である。  「これらの特性を比較すれば、細胞内のさまざまな状況におけるモーター分子機能の保存や多様性についてもっと情報が得られるだろう」とM TitusがNews and Viewsで述べている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度