Nature ハイライト

神経生理学:中脳で見つかった新たな動機付けシグナル

Nature 500, 7464

動物が単純な刺激応答課題を行う際には、ドーパミン作動性の中脳に見られる相動性の活動が、直後に来る報酬への期待値を表わすと考えられてきた。しかし今回、A Graybielたちは、線条体の報酬関連ドーパミンシグナル伝達に、別の形式があることを明らかにしている。彼らは、サイクリックボルタンメトリーを用い、報酬を求めて迷路を移動中の動物で、長く続くドーパミンシグナルを観察した。この反応は、動物が目標に近づくにつれてだんだんに大きくなり、報酬までの距離と報酬の大きさに応じて比例的に変化した。このようなシグナルは動因を表している可能性があり、遠方の目標に向かう行動でドーパミンが果たす役割について新たな手がかりを与えるものとなる。

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