Nature ハイライト

分子生物学:RNAiによるスクリーニングで見つかったシナプスのタンパク質

Nature 436, 7050

ニューロンとニューロンの間にあるシナプスで機能するタンパク質を体系的に同定しようという試みはずっと以前から行われてきたが、今回RNA干渉(RNAi)を応用することで、細胞間シグナルの伝達にかかわるタンパク質についてこれまでになく大量の情報をようやく得ることができた。J KaplanたちはRNAiを使うスクリーニングによって、線虫(Caenorhabditis elegans)の神経筋接合部の機能あるいは発生にかかわる185個の遺伝子を同定した。そのうち132個は、このような役割を持つ遺伝子だとはこれまで考えられていなかった。  これとは別にG Ruvkunたちが、網膜芽細胞腫経路の遺伝子が線虫のRNAiを負に調節するという予想外の発見を報告している。この知見によってRuvkunたちは、網膜芽細胞腫経路やRNAi経路の複数の遺伝子に変異のある線虫を作出した。このような多重変異があるために、この線虫ではRNAiの効率がよくなり、RNAiを用いるスクリーニングなどでより便利に使える。Kaplanたちが、ニューロンのシグナル伝達をこれほど詳しく調べられたのは、遺伝子操作したこれらの線虫を使ったからである。  「今回の研究によって、この分野の今後の実験水準が高まるだろう。今回の研究は、スクリーニングによって遺伝子のリストを作ったというだけではなく、遺伝学と分子生物学、それにデータ解析の考え抜かれた協力の成果といえる」と、C BargmannがNews and Views で述べている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度