Nature ハイライト

遺伝:円石藻エミリアニア属のゲノムから明らかになった高い多様性

Nature 499, 7457

1999年に英国コーンウォール沖で発生した<i>E. huxleyi</i>のブルームの衛星画像(白濁した青色の部分がブルーム)。
1999年に英国コーンウォール沖で発生したE. huxleyiのブルームの衛星画像(白濁した青色の部分がブルーム)。 | 拡大する

Credit: Andrew Wilson and Steve Groom.

円石藻エミリアニア・ハクスレイ(Emiliania huxleyi)のCCMP1516という株から、参照ゲノム配列が解読された。円石藻は主要な海洋植物プランクトンで、一部の生態系では全炭素固定量の20%を担っており、そのため地球全体の気候に大きな影響を及ぼしている。CCMP1516株の参照ゲノム配列と、同じ種の他の13株の塩基配列との比較により、株間で共通するコア遺伝子群と、株間で大きく異なる遺伝子群とからなるパンゲノムの存在が明らかになった。この知見から、ゲノムに大きな多様性があり、それがさまざまな代謝レパートリーに反映されていることが示唆された。エミリアニア・ハクスレイがさまざまな環境の下で大量に生息し、広い海域で一時的に大増殖できるのは、これが一因と考えられる。

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