Nature ハイライト

構造生物学/免疫:cGASによるDNA感知

Nature 498, 7454

自然免疫系による細胞質内DNAの感知とシグナル伝達は、侵入する細菌やウイルスを検出する手段であるため、その機構については非常に熱心に研究が行われている。細胞質内DNAは、DNAセンサーである環状GMP-AMPシンターゼ(cGAS)の活性化を介してI型インターフェロンを誘導することが知られている。つまり、cGASは環状ジヌクレオチドの合成を触媒し、これがSTING (stimulator of interferon genes)として知られるタンパク質を活性化するのである。K-P Hopfnerたちは今回、cGASが単独で存在する場合のC末端断片、UTPとの複合体、そしてDNA–ATP–GTP複合体の結晶構造を示している。一方、V Hornungたちは、cGASの産物が以前に性質が明らかにされた環状ジヌクレオチドとは異なることを明らかにした。産物はグアノシンとアデノシンの間に2′-5′連結が作られている例外的な環状ジヌクレオチドであることがわかった。このcGAMP(2′-5′)の2段階合成過程は、cGAS–STING軸が関与する自己免疫疾患治療用の特異的阻害剤開発の焦点となると考えられる。

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