Nature ハイライト

物性物理学:擬ギャップ周辺の転移

Nature 498, 7452

擬ギャップは、異常な物理的特性を特徴とする銅酸化物超伝導体の相図の一部であり、その性質は20年以上にわたって強い関心を集めてきた。また擬ギャップは、高Tc超伝導のまだ明らかにされていない機構を解明する手がかりになるかもしれない。銅酸化物超伝導体は、最適ドーピング付近では、量子臨界点周辺での強いゆらぎが関係していると考えられる「異常金属」という挙動を示す。今回、YBa2Cu3O6+δの擬ギャップが相転移線を境としていることが報告された。この相転移線のドーピング依存性は、超伝導ドーム内において相転移線がゼロ温度で終わるようなものであることが明らかになっている。この結果は、銅酸化物の異常金属としての挙動が量子臨界性によってもたらされることを示唆している。

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