Nature ハイライト

細胞:ゲノムおよびクロマチンの摂動を感知する

Nature 498, 7452

DNAに二本鎖切断が起こると、ATM(ataxia telangiectasia mutated)キナーゼが活性化される。アセチルトランスフェラーゼのKAT5が、修飾されたヒストン標識であるH3K9me3に結合すると、ATMをアセチル化してその活性化を促進する。今回、A KaidiとS Jacksonは、DNA損傷後にc-AblキナーゼがKAT5のチロシン44をリン酸化し、KAT5とH3K9me3の相互作用を増強させてATMを介するシグナル伝達を可能にし、DNA損傷チェックポイントを開始させることを示した。これらの知見は、治療薬として開発されているリシンデアセチラーゼ阻害剤の作用機構の説明に役立つと考えられ、従って、そうした薬剤をがんや神経変性疾患で最も効果的に用いる方法を知るための手がかりにもなるだろう。

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