Nature ハイライト

構造生物学:呼吸鎖組み立てジグソーパズルの最後のピース

Nature 494, 7438

複合体Iは、ミトコンドリア電子伝達鎖の最初に位置している最大の酵素で、呼吸鎖中で現在まで完全な構造が知られていない唯一の構成要素だった。今回、完全な複合体Iの原子構造が報告された。この酵素は、細菌膜、あるいはミトコンドリア内膜を介した4個のプロトンの輸送と共役して起こるNADHからユビキノンへの2個の電子伝達を促進する。この構造から、疎水性の基質であるキノンが収まることで酵素がその酸化還元エネルギーを利用できるようになる長い反応室などのいくつかの予想外の特徴が明らかになった。この大きなタンパク質機械の独特な作動機構には、化学エネルギー供給源と4個の分子ポンプ間の長距離にわたる機械的共役がかかわっており、細胞膜を介するプロトン勾配の形でエネルギーを貯蔵している。

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