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発生:発生中の目には光が不可欠

Nature 494, 7436

生後3日齢マウスの目の硝子体血管系。
生後3日齢マウスの目の硝子体血管系。 | 拡大する

Credit: Dr. Sujata Rao

発生中の目では、網膜血管系が血管を形成するのにつれて、硝子体を取り囲む透明な硝子体膜が退縮していく。この過程は臨床的に重要だが、それは過度な血管増殖は未熟児の失明の主要な原因の1つだからである。今回、組織構造のこの大きな変化に、意外にも光がかかわっていることが報告された。R Langたちは、マウスでは光が光受容物質メラノプシンを介して作用し、発達中の硝子体血管系の退縮を促進することを見いだした。光、あるいはメラノプシンのどちらかがないと、血管内皮増殖因子Aの発現が増大し、その結果として網膜で異常な血管形成が起こる。同様の過程がヒトの目の発生にも関与しているかどうかは、まだわかっていない。

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