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生態:気候変動で乱される冬眠

Nature 489, 7417

冬眠から目覚めたコロンビアジリス。
冬眠から目覚めたコロンビアジリス。 | 拡大する

Credit: Jeffrey Lane

鳥類や植物の個体群の季節による生物学的リズムに気候変動が与える影響はよく研究されているが、哺乳類への影響はあまり知られていない。今回、国際共同研究チームが、カナダのアルバータ州に生息するコロンビアジリスの冬眠明けの時期に関する20年間のデータセットを用いて、気候変動に応答して冬眠明けの時期が遅れるという珍しい例を報告している。その遅れは1年当たり約半日にもなり、研究チームはこれを、時季遅れの吹雪の発生数が増加したことによるとしている。冬眠明けが遅れた年には雌の適応度が低下し、その結果として、個体群成長率がそれ以前よりも低下する。現在の気候モデルでは一様に冬季降水量の増加が予測されているため、今後はこうした事象がさらに一般化する可能性がある。今回の知見は、気温の上昇によって、気候に対する行動的応答が直接的に引き起こされるだけでなく、個体の適応度の低下を伴う場合もあることを意味している。

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