Nature ハイライト

進化:小さなステップが進化の跳躍につながる

Nature 489, 7417

ダーウィンの唱えた漸進説と跳躍説とを組み合わせ、進化の小さなステップがさらに劇的な進化の跳躍への道を開くことが示唆されてきたが、自然史からその詳しい機構を明らかにするのは困難であった。今回R Lenskiたちは、全ゲノム塩基配列解析と「進化の再現」実験を組み合わせることにより、細菌の実験個体群で3万世代、20年以上の間に進化した、好気的クエン酸利用という1つの重要な革新が多段階を経て生じた経緯を解明した。彼らが解明した3段階の過程は、相乗作用によって1つの形質が実現可能になり、実現によってそれが表に現れ、改良によって有効化されるというもので、このような過程は、原始的四肢類の地上への定住など、ほかの生物学的革新に典型的なものだと考えられる。

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