Nature ハイライト

工学:不安定性を利用して複雑な球体を注文どおりに作る

Nature 487, 7408

球体を作製するスケーラブルな新しい過程が報告されている。これは、コア–シェル型構造のファイバー内を流れる流体の不安定性を利用して、ファイバー内部で一連の球状粒子を作製するというものだ。ファイバーの熱処理によってキャピラリー不安定性効果が生じ、これによってコア材料がバラバラに切断されて完全に滑らかな球が生成される。この過程により、直径1 mmから50 nmという小さなものまで、さまざまな大きさの球体を作製できる。また、シェルファイバーの中には複数のコアファイバーを入れることができるので、作製過程を並行して進めることができる。さらに、複数の出発物質を精密に配置することによって、「ヤヌス」型粒子や「ビーチボール」型粒子などの複雑な多成分球体を作製できることも示された。この種の人工構造体の応用として考えられるのは、放出制御型薬物送達や触媒反応である。

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