Nature ハイライト

生態:栄養摂取に新たな次元

Nature 486, 7404

湿地近くで獲物を探すカマキリ。
湿地近くで獲物を探すカマキリ。 | 拡大する

Credit : Anthony Dell

食物連鎖または食物網内にいるさまざまな生物の採餌習性の相互作用である「栄養的相互作用」は、二次元または三次元で生じ、多くの生物群集では両者が混在している。新たな研究によって、探索速度および消費速度を体の大きさと関係付けることにより、相互作用の強度と体の大きさとの関係が、二次元相互作用では亜線形的だが三次元相互作用では超線形的であることが明らかになった。さらに、この発見によって、例えば水中生態系と陸上生態系といった生態系間の差異を説明するモデルが示された。なぜなら、次元が1つ増えることで、資源を見つけるための新たなニッチや機会が増加するからだ。1つの例として、このモデルでは、採餌を行うガラパゴスアシカが、海洋の表面に近い外洋域(三次元)では、深部の海底域(二次元)と比較して30倍も高い消費速度を達成できる可能性があることを予測している。

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