Nature ハイライト

物理:原子核の安全地帯を越えて

Nature 486, 7404

自然界に存在することが知られている288種類の安定同位体は、宇宙の目に見える物質の99.9%以上の質量を構成している。しかし、この「安定性の谷」を越えたところには、核力によって束縛されたほかの同位体が多数存在しており、現在までに約3,000種類の原子核が実験室で合成されている。原子核中にはいくつの陽子と中性子を束縛でき、また何種類の核が実際に存在しうるのだろうか。今回理論研究によって、原子核の安定性を決める不確実性が調べられ、原子番号が2と120の間で、束縛核種と思われるものの数が約7,000であることが見いだされた。我々はこれらの元素の多くには出会わないだろうが、存在する可能性のある核種の境界近くにある短寿命核は、宇宙を形成するもっと安定な核種が生成される恒星の形成過程などに重要である。

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