Nature ハイライト

細胞:薬剤標的としてのTreg細胞

Nature 486, 7404

制御性T(Treg)細胞は免疫抑制機能を持つT細胞集団で、やせ状態のマウスの脂肪組織にはほかより多く存在するが、肥満マウスの脂肪組織には見られない。このTreg細胞は、脂肪組織で炎症や2型糖尿病に伴う代謝異常を制御している。今回、脂肪細胞分化の「マスター調節因子」であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)が、脂肪組織でのTreg細胞の集積、表現型および機能の重要な調節分子であることが示された。内臓脂肪Treg細胞でのPPAR-γの発現は、2型糖尿病治療薬ピオグリタゾンによるインスリン感受性活性にかかわっている。これらの結果は、特定のTreg細胞集団を治療標的にできる可能性を示唆している。

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