Nature ハイライト

進化:なぜ寄生生物が優位にならないのか?

Nature 483, 7389

現在の進化理論では、寄生生物は生活環が短く、強力な選択圧を受けているため、宿主をしのぐ速度で進化すると考えられている。そうなると、宿主生物種は迅速に進化する寄生生物の絶え間ない攻撃に圧倒されてしまいそうだが、実際はそうなっていない。このことから、宿主には進化という場において寄生生物と対等な立場を取れる独自の優位性があるはずだと考えられる。Gilmanたちは、革新的な数理モデルを用いて、種間相互作用率を支配する形質の数が多ければ宿主生物種が進化的優位性を獲得できることを明らかにした。単一形質モデルに基づくこれまでの理論では、この作用をとらえることができなかったのである。

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