Nature ハイライト

遺伝学:「ポスト光」時代のゲノム塩基配列解読チップ

Nature 475, 7356

より安価でよりコンパクトなDNAシーケンサーをめざす技術的進展は、画像化技術の必要性などいくつかの要因が足かせとなっている。今回、光学的読み取りを行わず、代わりに、鋳型指示DNA合成反応で生成される水素イオンを直接検知して塩基配列データを集める新規のDNAシーケンシング技術が報告された。この手法は、大規模並列処理半導体検出装置(イオンチップ)を用いた、廉価で拡張性の高い塩基配列解読法への道を開くものだ。この反応はすべての天然ヌクレオチドを用いて行われ、個々のイオン感受性チップは使い捨てで価格も安い。この装置を用いて、実際に3つの細菌ゲノムと1つのヒトゲノムの塩基配列が解読された。ヒトゲノムは、「ムーアの法則」で有名なゴードン・ムーアのものである。

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