Nature ハイライト

脳:ニューロン新生と抗うつ薬

Nature 472, 7344

成体で新たに形成される海馬ニューロンは、出生時にすでに存在しているニューロンとは対照的で、学習や記憶、また抗うつ薬のある種の影響にかかわっていることが、機能喪失実験によってこれまでに示されている。今回、マウス成体の新生ニューロンの生存率を上げるという誘導型の遺伝的機能獲得実験により、成体海馬ニューロン新生の増加と特定の認知機能の向上の間に因果関係が見られることが実証された。この結果から、不安障害や記憶障害が成体海馬ニューロン新生の刺激によって治療できる可能性が出てきた。

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