Nature ハイライト

宇宙:高速回転する星が先駆け

Nature 472, 7344

NGC 6522は、天の川銀河系で最も古い球状星団であり、おそらく、宇宙における重元素の高濃度化、つまり化学汚染の最も早い段階を経てきている。この時期には、ビッグバン直後に形成された大質量星が、「金属」、つまりヘリウムより重い元素を生成し、これらの元素を取り込んだ低質量星は現在まで生き残っている。しかし、NGC 6522の星について報告されている元素存在量からは、それらの星を生んだガスの性質について矛盾する証拠が得られている。今回、以前に得られたスペクトルの再解析により、イットリウムとストロンチウムの存在量および炭素の上限値がさらに明らかになった。結果として示されたパターンは、金属が欠乏し高速回転する大質量星が早期に存在したとすれば最もよく説明できるものになった。こうした「高速回転する星(spinstar)」は、宇宙の「最初の星」を認定する際の第一候補である。

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