Nature ハイライト

系統分類:無腸類は単純な生き方を選んだ

Nature 470, 7333

無腸類は単純な生き方を選んだ
無腸類は単純な生き方を選んだ | 拡大する

Credit: Bernhard Egger, UCL (left: Mecynostomidae), Max Telford, UCL (right: Xenoturbella)

無腸類と呼ばれる扁平な蠕虫は、形態が最も単純な部類の動物であり、腸管も体腔もないほどの単純な構造をしている。しかし、新たな分子的研究により、無腸類は棘皮動物(ヒトデやウニのたぐい)などと一緒の分類群におさめられ、ヒトも含まれる脊索動物に大きく近づき、動物進化の底辺から抜け出すことになった。体の構造が単純で進化的つながりが謎とされていた珍渦虫(Xenoturbella)もこの群に属することが、これに先立って明らかにされている。今回の研究成果は、無腸類が単純なのはこれまで考えられていたように原始的だからではなく、時間が経つにつれて体腔や肛門、鰓孔などの構造を失って単純化したためであることを示唆している。

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