Nature ハイライト がん:前立腺がんに見られる遺伝的変異 2011年2月10日 Nature 470, 7333 前立腺がんは、男性のがん関連死亡の主要な原因の1つである。7例の高リスク原発性前立腺がんとこれに対応する正常組織の全ゲノム塩基配列解読が行われ、これまで知られていなかった均衡型のゲノム再編成の存在が明らかになった。この再編成では、遺伝物質の損失は全くなく、染色体内あるいは染色体間で切断点のあるアームの交換が多数起こっている。このような異常は転写の誤りあるいは異常なクロマチン構造を介して起こるようであり、影響を受ける遺伝子群には、前立腺がんの抑制遺伝子として知られているPTENや、これまで前立腺がん発生にかかわると考えられていなかったMAGI2などが含まれている。 2011年2月10日号の Nature ハイライト がん:前立腺がんに見られる遺伝的変異 脳:攻撃行動と交尾行動はリンクしている? 構造生物学:多サブユニット複合体の解明を進める 宇宙:初期の銀河団のようす 化学:多角化する不斉触媒 気候:南極の気候への影響の変化 系統分類:無腸類は単純な生き方を選んだ 発生:発生中の網膜に指示を出す分子 目次へ戻る